2020年度の指導案について

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こちらの指導案はみらプロ(2020)の指導案等です。


スポーツとデータ分析。地域スポーツチームを応援しよう

地域のスポーツチームを支えたいという思いの実現に向けて、プロスポーツチームで行われているデータ分析を活用した取組を通して、応援活動を行う

改訂履歴
2019年12月: 探究的な学習にするための授業実施時のアドバイス(「修正意見」)こちらからご確認ください

学習活動の概要

単元や題材などの目標

「自分たちの地域のスポーツチームを支えたい」という思いの実現に向けて、地域のスポーツチームの選手やスタッフとのかかわりながら、チームを支える方法を考え実行しようとする探究的な活動を通して、地域スポーツのあり方や地域の特性を客観的にとらえるとともに、自分たちにできることを考え、行動しようとする。

単元や題材などの学習内容

本単元において、探究課題は「地域のスポーツチームとのかかわり」の中から見いだすこととする。各地域に存在するスポーツチームは、種目・規模・選手の構成・スタッフの役割等、おかれている状況も含めて多様である。また、これらのスポーツチームは、地域に根ざした運営を目指していることも多く、地域活動への貢献度も高い。さらに、限られた種目・チームを除き、チームを運営するにあたり、様々な課題を抱えていることも多い。

これらのことから、地域のスポーツチームの選手やスタッフとの関わりを深め、チームが抱える課題を共有し、チームを支える側として解決する方法を考え実行する等の活動が考えられる。

「関わる」については、挨拶活動・一緒に遊ぶ活動・体育学習等を通してかかわることで関係を深めたりすることが考えられる。また、「共有する課題」については、成績・サポーターが少ない・財政状況が悪い・地域とのかかわりが少ない等が考えられ、それらの「課題を解決をする方法」については、チームの応援歌を作る・地域にサポートを呼びかける・募金活動を呼びかける・地域との交流会を開催する等が考えられる。

総合的な学習の時間の学習とプログラミング体験との関連

本単元は、新学習指導要領第3の2(9)の「第1章総則の第3の1の(3)のイに掲げるプログラミングを体験しながら論理的思考力を身に付けるための学習活動を行う場合には,プログラミングを体験することが探究的な学習の過程に適切に位置付くようにすること。」に基づき指導するものである。

本単元では、プログラミング体験が有効な場面として、チームの応援をするためのアプリ開発、ウェブサイト作成、学習の成果を報告する際に活用するプレゼンテーションの中での活用等が考えられる。

また、ICT機器の活用については、チームについて調べる際にチームの公式サイトの活用やチーム関係者とのオンラインでのやりとり等が考えられる。これらのICT機器活用と合わせて、スポーツにおけるデータ活用の有効性等についても触れられるとよい。

企業の協力内容
ビデオ教材等の提供
  • データ分析でチームを支援する事ができることを理解して、次のスポーツチームを支える方法の手段の一つとして認識する
  • プロスポーツではデータ分析が重要な役割をしている
  • その仕事の内容
    • データを取得する方法
    • データを解析する方法
  • 膨大な量のデータを解析するためには、プログラミングを活用する必要があること
  • (ライブリッツの考える)これからのスポーツとITのかかわり
  • データ分析体験
    • サンプルを提供いただき、どういったデータ分析を体験する

学習指導計画例(総時数:35時間)

単元に入る前に
  • 本単元は、地域のスポーツチームとの交流ができることを前提とする。
  • 地域スポーツチームの方に、朝活動で「あいさつ運動」等に来てもらい、かかわりをもつ。
  • 体育の時間等にゲストティーチャーとして来てもらい、指導をしてもらう。
0次:みらプロの授業を始める前の共通指導案(1時間)
目的

私たちの日常生活や社会において「技術」が活用されていることを理解するとともに、これからの未来について考えることで、この後に行われる企業と連携した総合的な学習の時間の授業に関心をもって取り組めるようにすること

  1. 現在の私たちの生活を便利にしている「技術」が存在すること
  2. 今後も様々な社会の問題を解決して未来を作っていく活動が重要であること
  3. それを担っていくのは私たち(児童)だという理解をすること
本時の展開
  • 生活を便利にしている「技術」を知る
    • 現在の生活の便利さが、昔は当たり前ではなかったこと
    • 現在でも様々な「技術」が私たちの生活を便利にしていること
  • 私たちの生活にはすでに様々な「技術」が導入されており、生活を便利にしてくれていることを知る
    • 学校・家の中にコンピューターやコンピューターに関連するものはありますか?
    授業資料(社会の問題を解決して生活を豊かにするために「技術」か゛使われている例)を参考に説明し意見の交流を行う
  • 様々な社会の問題を解決して、未来を作っていく活動が重要であることと、それを担っていくのは私たち(児童)だという理解をすること
  • 上記までの指導をふまえて、今後行う企業と連携した授業を説明する

スポーツとデータ分析。地域スポーツチームを応援しよう(35時間)
【課題の設定】(2時間)
  • 地域で活動しているスポーツチームやそこで活躍している人について興味をもつ。
    • スポーツチームのHPやパンフレットを使い、調べ学習を行う。
    • 選手が活躍している映像を見る。
  • 調べ学習等を通して感じたこと・得たことについて話し合い、今後の学習計画を立てる。
    • どうやってチームをもりあげればいいだろうか
【情報の収集】(8時間)

スポーツチームとの交流

  • チームの選手や関係者と交流を通して、チームと自分との距離を縮める。
    • 一緒に運動をする。
    • 休み時間、一緒に遊ぶ。
    • 給食を一緒に食べる。
    • 練習している様子を見に行く。
  • チームのことを知ろう
    • ウェブページや直接インタビューするなどしてデータを入手する
    • データを活用して、選手のことを知る。
    • データを活用して、チームの戦績等を知る。
  • 選手やチームスタッフから話を聴き、課題意識をもつ。
    • 地域の方にファンになってもらい、もっと応援に来てもらいたい
    • 子どもたちにそのスポーツに興味を持ってもらいたい
    • クラブ運営のために不足していること等
  • スポーツチームを支える方法を調査するために、プロスポーツチームをデータ分析で支えている企業の話を聞く(スポーツを支える最先端の現場ではどのような取り組みが行われているかを知る)
  • ライブリッツの取り組みを聞く
  • データ分析でチームを支援する事ができることを理解して、次のスポーツチームを支える方法の手段の一つとして認識する
  • プロスポーツではデータ分析が重要な役割をしている
  • その仕事の内容
    • データを取得する方法
    • データを解析する方法
  • 膨大な量のデータを解析するためには、プログラミングを活用する必要があること
  • (ライブリッツの考える)これからのスポーツとITのかかわり
  • データ分析体験
    • 地域で交流しているスポーツチームにサンプルとなるデータを提供いただき、どういったデータ分析をしているのかを体験する

    ※ 地域のスポーツチームのデータ分析ができない場合は、一般社団法人 日本野球機構(NPB)様から提供頂いているプロ野球のデータも利用可能です。
    1995?2019年度の各球団の成績情報と分析例を確認して、授業にご利用ください。

【整理・分析】 (21時間)

スポーツチームを支える(14時間)

  • チームを支える方法について考える
    • チームの応援歌を作る。
    • 応援フラッグを作る。
    • チーム応援用のウェブサイトを作る。
    • チーム応援アプリを作る。
    • 地域の人とチームとの交流会を開催する。
  • データを分析し、支える活動に活用する
    • ライブリッツの話をうけて、再度データの活用方法について検討する
    • チームの戦績と来場客数や天気との関係
    • 分析した結果を受けて、応援する内容に活用する
  • プログラミングを活用して、グループ毎にチームを支える方法について考え、実現する
    • プログラミングの基本的な考え方や仕組みを学ぶとともに、Scratch等のプログラミングツールの使い方を学ぶ
    • データ分析した結果を活用して、制作物に利用する
    • 例:
      • アプリ作成(クイズ、ゲーム等)
      • マスコットキャラ等を使ったアニメーション作成
  • 支える活動をふり返り、今後の学習計画を立てる
プログラミング体験
目的

プログラミングを活用して、グループ毎にチームを支える方法について考え、実現する

実施内容
  • Scratch等のプログラミングツールの基本的な考え方や仕組みを学ぶ
  • 地域スポーツチームのデータを収集し分析を行った結果を活用して、チームを応援する作品を作る
  • マスコットキャラ等を使ったアニメーション、クイズ等
  • 指導者向け資料および、サンプルプログラムを参考に、チームを紹介するアニメーションを制作する。 指導者向け資料のWord版はこちら。
  • スポーツチームとの交流と支える活動(並行して)(7時間)

    • 交流と支える活動を並行して行う。
      • 交流を通して、さらに距離を縮める。
      • 支える活動について考え、実行する。
      • チームを応援する人に、制作物等を評価してもらい改善点を考える
    • これまでの学習をふり返り、学習のまとめについて考える。
    【まとめ・表現】(4時間)
    • チームを応援する会を開催する
      • チームを支えるために制作したものを紹介する
      • 学習成果を伝える方法として、これまでの手法を活用する
    • 学習の振り返りを行う
    探究的な学習にするための授業実施時のアドバイス(「修正意見」)

    こちらの学習について、「修正意見」生かした指導例別案を追加しました。学校での指導計画作成にご利用ください。 (指導案別案作成にご協力頂いた先生方はこちらに記載しています)

    • 通常,スポーツ選手との交流は1時間のイベント。交流を深めるには,選手たちからの「クラブとしての課題」のアピールが重要
    • 交流した中で選手たちと,課題解決の作戦や企画を練るのはどうか(※選手に方向性についての根回しが必要)。
    • チームとの交流で話を聞くことから課題設定をさせたい(いきなりどうやってチームを盛り上げるかではない)
      課題設定は,クラブについての情報収集の後では?つまり「チームを支えたい」ということを課題にする。
    • 資金=応援する人?サポーターを増やすためのさまざまなことがプログラミングでできるか?TwitterでのPRのようなことになるのでは?
    • 応援歌プロジェクト、フラッグプロジェクト、キャラクターアニメ制作プロジェクト、のように多くても3つほどにグルーピングし、それぞれ数時間程度で検討し,何かを制作できるものにするのが現実的か。
    • 出てきた方法をまとめて(クラブに)紹介する際に,インタラクティブなプレゼンを作るのも一計。
    • 自分の動きをデータ化して改善するようなアプリをつくるのはどうか?同じステップでまっすぐボールをける→ボールがあたった的の番号を入力する→自分のくせを可視化する。
    • 時間の配分を見直して,クラブを支える活動を実践し,その成果を評価するなどの時間を充実させる。その際,スポーツチームでのイベントとタイアップすることができれば望ましい。

    こちらの指導案はみらプロ(2020)の指導案です。